SAYi JOURNAL

100年前、バイブレーターはミキサーと同じ値段で売られていた!?

100年以上前のアメリカの通販カタログに、ちょっと意外なものが載っていました。ミキサーや扇風機に混じって、バイブレーターが売られているんです。しかも、あるカタログではミキサーと同じ5ドル95セント。今の感覚だと「えっ、その並びで売るの?」となりませんか?(笑)

こんにちは、NPO法人SAYi代表理事のキヨです☺

今日は、バイブレーターが家庭用の電化製品として売られていた時代の話です。昔の広告を追いかけてみると、性にまつわる「普通」って、けっこう時代で変わるんだなと思いました。

最終更新:2026年10月10日

昔の通販カタログとミキサー、扇風機、丸いヘッドの電動マッサージ器を描いたイメージイラスト(AI生成)
記事のテーマを描いたイメージ
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ミキサーの隣に、バイブレーター

時代は1900年代初頭のアメリカ。家に電気が入ってくるようになり、新しい家電が次々と登場していました。そのなかでバイブレーターも、家庭で使う電化製品として売られていたんです。

歴史研究者ハリー・リーバーマンが当時の広告や取扱説明書を調べた研究によると、バイブレーターは百貨店や電器店、通信販売のカタログに登場していました。新聞や一般向け雑誌に広告が載ることも珍しくなかったそうです。

面白いのが、アメリカの大手通販会社シアーズのカタログ。家庭用モーターに取り付ける道具として、泡立て器やミキサー、扇風機などと一緒に、バイブレーターが紹介されていたんです。しかも、ミキサーもバイブレーターも5ドル95セント。

当時の購入者がみんな性的な用途で使っていた、という意味ではありません。首や肩のマッサージなど、普通のマッサージ器としての用途もありました。でも、現在は大人向けの商品としてイメージされることが多い道具が、台所の家電と並んでいた。これだけでも広告の歴史って面白いですよね。

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「おじいちゃんへのクリスマスプレゼント」にも?

宣伝の仕方も、今とはかなり違います。

当時のメーカーは、主婦向けの便利な家電として紹介したり、美容や健康を気にする人に売り込んだりしていました。研究によれば、おじいちゃんへのクリスマスプレゼントとして勧める広告まであったそうです。対象がずいぶん広い(笑)。

そして広告の売り文句は、かなり強気でした。1899年の広告では、しわや頭痛への効果をうたい、別のメーカーは何と56種類もの不調に効くと宣伝していました。肥満や背骨の曲がり方まで、その一覧に入っていたんです。

もちろん、広告がそう主張したという話で、実際にその効果が証明されていたわけではありません。新しい電気の力なら何でも解決できそうに見えた時代の商売が、ちょっと透けて見えます。

「バイブレーターは昔から性具として売られていた」と思うと、この売り方はかなり意外ですよね。

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性の話はタブー。でも商品は売りたい

では、メーカーは性的な使い方をまったく想定していなかったのか。ここがまた面白いところです。

当時のアメリカには、性的な商品や表現の流通を厳しく制限する法律がありました。露骨に「自慰のための道具です」と宣伝するのは難しい。一方、身体を振動させる機械には、肩や背中のマッサージという用途もある。

そこでメーカーは、表向きには健康や美容の道具として売りつつ、広告の絵や言葉では性的な魅力をほのめかすこともありました。取扱説明書のなかには、性に関係する使い方を示すものも確認されています。

なんだか昔の広告担当者が、あれこれ工夫している様子が目に浮かびますね。「これは健康器具です」と言いながら、読む人には別の意味も伝わるようにする。100年以上前にも、そんな売り方があったんです。

ただ、買った人たちが実際にどう使ったかは、記録があまり残っていません。店の広告と、使う人の本音は別の話。ここは歴史研究でも分けて考えられています。

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「医者が女性を絶頂させるために発明した」は本当?

バイブレーターの歴史には、もう一つ有名な話があります。

「昔の医者は、女性のヒステリーを治すために手でオーガズムを起こしていた。大変だから機械を発明した」というもの。映画などでも取り上げられ、聞いたことがある人もいるかもしれません。

ところが2018年、歴史研究者のリーバーマンとエリック・シャッツバーグが、この話の根拠として使われていた古い資料を改めて調べました。その結果、医師が女性患者をオーガズムに導くために電動バイブレーターを日常的に使っていた、という中心的な主張を裏付ける証拠は見つからなかったと報告しています。

初期の電動バイブレーターが医療用に開発されたことと、「女性を絶頂させる治療のために発明された」ことは別なんですね。後者は、話としては強烈だけど、史実として広めるには根拠が足りないようです。

僕が今回いちばん驚いたのは、機械そのものより、広告が作っていたイメージです。同じ道具なのに、ある広告では主婦のための家電、別の広告では男性の健康器具。使い方を知っている人には、性的な意味も見える。

今ならバイブレーターをミキサーの横に並べて売ったら、かなり目を引きそうですよね。でも100年以上前には、同じカタログで同じ値段で売られていた。昔の家電売場、ちょっとのぞいてみたくなりませんか?

出典

資料の確認日:2026年10月10日

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