SAYi JOURNAL

恋人の着たTシャツで、眠りが9分増えた!? しかも本人は不在

好きな人が帰ったあと、部屋に残った服の匂いで、なんとなく落ち着いたことはありませんか? 実はこの感覚、単なるロマンチックな気分だけでは終わらないようです。恋人が着たTシャツを枕に置いて眠ると、睡眠の記録が変わったという研究があるんです。しかも、本人が「恋人の服だ」と気づいていなくても。これ、ちょっと不思議じゃないですか?

こんにちは、NPO法人SAYi代表理事のキヨです☺

今日は、恋人本人がいないのに、匂いだけが身体に届いたという実験の話です。

最終更新:2026年10月10日

寝室で恋人のTシャツを手にして穏やかに微笑む大人の女性のイラスト(AI生成)
記事のテーマを描いたイメージ
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恋人は不在。枕元にはTシャツだけ

2020年、カナダの研究チームが155人を対象に、パートナーの匂いと睡眠の関係を調べました。方法がなかなかユニークです。

まず、参加者の恋人にTシャツを24時間着てもらいます。そのシャツを回収し、参加者は恋人と離れた場所で就寝。恋人が着たシャツを枕に使う夜と、比較用のシャツを使う夜を、それぞれ2回ずつ経験しました。

しかも、睡眠を「よく眠れた気がする」という感想だけで判定しません。手首に装着した機器で身体の動きを記録し、ベッドにいた時間のうち、どれくらい眠っていたと推定されるかを調べたんです。

すると、恋人のシャツを使った夜のほうが、睡眠効率が高くなりました。研究チームの大学による紹介では、平均すると一晩で9分以上、眠っていた時間が増えた計算になるそうです。

たったTシャツ一枚ですよ。本人は隣にいないし、話しかけてもくれない。それでも眠りに違いが出たというのだから、匂いって面白いですね。

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「恋人の服だ」と知らなくても?

ここからが、さらに面白いところです。

もし恋人のシャツを渡されて「これ、あの人の服だよ」と教えられたら、安心して眠れそうな気はしますよね。いわゆる思い込みの効果もありそうです。

研究では、本人がどのシャツを恋人のものだと思っていたかも調べています。すると「よく眠れた」という本人の感想には、そう信じていたかどうかが関わっていました。

ところが、手首の機器で測った睡眠効率の違いは、その思い込みとは別に見られたんです。

つまり、頭では「これは誰のシャツだろう」と思っていても、鼻は別の情報を受け取っていた可能性がある。恋人の顔も声もないのに、匂いだけで何かが伝わっている。まるで身体が、相手の存在を先に思い出しているみたいですよね。

もちろん、シャツに魔法がかかっているわけではありません。私たちの嗅覚は、記憶や感情に関わる働きと深く結びついています。昔の恋人の香水を街で嗅いで、突然その人を思い出す。あの感覚に近いものが、眠るときにも働いているのかもしれません。

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匂いは、ストレスにも関係する?

実は、別の研究でも恋人の匂いが登場します。

2018年の実験では、96人の女性に、恋人が着たシャツ、知らない人が着たシャツ、誰も着ていないシャツのいずれかを嗅いでもらいました。その後に待っていたのは、人前でのスピーチと暗算。なかなか緊張しそうな課題です。

結果は、恋人の匂いを嗅いだ女性たちのほうが、主観的なストレスを低く感じる傾向がありました。一方、知らない人の匂いを嗅いだグループでは、ストレスホルモンのコルチゾールが高くなりました。

考えてみると、私たちは人を顔や声だけで覚えているわけじゃないんですよね。抱きしめられたときの服の匂い、いつも使っているシャンプー、帰宅したときにふっと感じる生活の匂い。本人がいなくても、その人を思い出す手がかりは意外とたくさんあります。

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香水よりも、洗濯前のTシャツ?

ここで一つ、妙に現実的な疑問が浮かびます。

恋人の匂いで落ち着くなら、高級な香水をプレゼントするより、昨日着ていたTシャツを借りるほうが嬉しい人もいるのでは?(笑)

もちろん、香りの好みは人によって違います。でも、実験で使われたのは「いい香りの商品」ではなく、特定の人が実際に着た服でした。ここが私には一番面白く感じられます。

好きな人の匂いは、必ずしも万人受けする香りじゃない。本人にとっては、いつもの生活と結びついた、その人だけの匂いなんです。

遠距離恋愛や出張で離れて眠る夜に、相手の服を借りたくなる人がいるのも、ちょっと分かる気がします。逆に、別々に寝たほうがよく眠れるカップルでも、相手を近くに感じる方法は、同じベッド以外にあるのかもしれません。

それにしても、私たちの身体って不思議ですね。恋人が隣にいなくても、鼻はちゃんとその人を覚えているのかもしれません。

今度、誰かの服の匂いでほっとしたら、少しだけ思い出してみてください。あの安心感、案外、身体のほうが先に知っているのかもしれませんね。

出典

資料の確認日:2026年10月10日

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