SAYi JOURNAL
においが気になる。腟の中まで洗ったほうがいい?
においが気になると、いつもより念入りに洗いたくなる。でも、腟(ちつ)の中まで洗うことは、日常のケアとして勧められていません。[1][2] 外側をやさしく洗うことと、中へ水や洗浄液を入れることは違います。「もっと洗えば安心」の前に、洗う場所を確かめてみましょう。
最終更新:2026年10月6日

洗うのは外側。腟の中へ水を入れない
外から見える性器の部分を、外陰部(がいいんぶ)といいます。腟は、その入口から体の内側へ続く部分です。フランスの公的医療保険の案内では、外陰部の洗い方と、腟の中を洗わないことを分けて説明しています。[2]
腟には、もともと細菌が住み、分泌物によって内側が保たれる仕組みがあります。清潔にしようと中を洗うと、そのバランスを崩すおそれがあります。[2] おりものは健康な状態でも出るものなので、なくなるまで洗うことを目標にしないでください。[1][3]
普段は外側をぬるま湯でやさしく洗い、洗浄料を使うなら刺激の少ない無香料のものを。香り付きの石けんや消臭用品は避けるよう、英国NHSは案内しています。[1] こすって汚れを落とそうとせず、すすいだ後はタオルを軽く当てて水分を取ります。[2]
ここで扱っているのは日常のセルフケアです。治療中や手術後など、医療機関から洗浄や薬の使い方を指示されている場合は、その指示を担当者に確認してください。
いつもと違うにおいや、かゆみがあるときは
おりもののにおい・色・状態が変わった、かゆい、痛い。そんなときは、洗い方を強めて解決しようとせず、婦人科・産婦人科で相談してください。日本産婦人科医会も、おりものの変化にかゆみや痛みが伴う場合、腟炎などの可能性を挙げています。[3] においだけで病名を決めることはできません。[1]
受診の前に、「いつごろ変わったか」「かゆみや痛みもあるか」「最近変えた石けんや洗浄用品」をメモしておくのはどうでしょう。正確な日付が分からなければ「数日前から」、用品の名前を覚えていなければ容器の写真でも。メモをそろえるまで受診を待つ必要はありません。これは病名を自分で判定するためではなく、診察で話す内容を整理するための提案です。
いま使っている用品を見直すなら、まず、外側に使っていたか、腟の中まで入れていたか。においを消したくて回数を増やしていなかったか。製品を買い足す前に、実際の使い方を一つ振り返ってみてください。症状があるときは、用品選びだけで済ませないことが大切です。
参考資料・関連する利用案内
資料の確認日:2026年10月6日
- [1] NHS:Vaginal discharge
最終レビュー2024年2月15日。おりもの、外側のやさしい洗浄、香料や腟内洗浄を避ける案内、症状が変わった際の相談を参照。英国の111や受診制度を日本の窓口として案内していません。
- [2] フランス公的医療保険 Assurance Maladie:Quelques conseils pour réaliser sa toilette intime
ページ表示日2024年11月12日。外陰部と腟の区別、腟内洗浄を避ける理由、すすぎと拭き方を参照。一般向けの案内で、特定製品の効果を比較した研究ではありません。
- [3] 日本産婦人科医会:おりものについて教えてもらえますか?
2017年2月7日作成。おりものの説明と、かゆみ・痛みを伴う変化の記述を参照。掲載先は思春期Q&Aであり、全世代の治療指針としては扱いません。