SAYi JOURNAL
愛情表現のタイプが違うと、相性が悪い?
自分は言葉で「好き」と言ってほしい。相手は触れ合いで気持ちを示したい。ネットで見かける「ラブランゲージ」のタイプ分けで結果が違うと、すれ違う理由が分かった気がするかもしれません。でも、その結果だけで二人の相性が悪いとは判断できません。[1]
最終更新:2026年10月8日

愛情を感じる方法は、一つに決めなくていい
ラブランゲージは、愛情の伝え方や受け取り方を、感謝や励ましの言葉、一緒に過ごす時間、贈り物、手助け、触れ合いの五つで説明する考え方です。「自分が特にうれしいのは、これかもしれない」と考えるきっかけにはなります。[1]
ただし、「一人に一つの主なタイプがある」「五つに分けられる」「好みのタイプに合わせれば関係がよくなる」という説明には、十分な裏付けがあるのでしょうか。2024年に発表された研究レビューは、それまでの研究を検討し、この三つを強く支持する証拠は乏しいと報告しました。[1]
褒めてもらうのもうれしいし、忙しい日に手を貸してもらうのもうれしい。一つを選んだ途端、ほかの喜びまで自分に合わないものにする必要はありません。
「同じタイプ」と「してほしいことに応える」は違う
例えば、自分は贈り物がうれしく、相手は言葉で伝えてほしいと思っている。二人が同じタイプになることと、それぞれが相手の希望を知ることは別の話です。
2022年の異性カップル100組の調査では、本人が望む愛情表現と、相手がしていると答えた愛情表現のずれが小さいほど、関係や性生活への満足度が高いという関連が見られました。ただし、回答を比べた調査であり、愛情表現を変えて満足度が上がるかを試した実験ではありません。[2]
一方、2025年に発表された、長く同居する関係にある499人の研究では、いちばん好む愛情表現に満足しているかどうかが、ほかの愛情表現への満足度より、関係の良さと強く結びつくとはいえませんでした。ここで参照したのは、公開されている要旨です。[3]
研究で問われているのは、好みがあるかどうかだけでなく、その好みに合う方法だけが特別に大事なのか、ということです。これらの結果から、自分や相手を一つのタイプに固定したり、合う・合わないの判定をしたりするのは早いでしょう。[1][3]
タイプ名を使わず、うれしかった出来事を書く
試すなら、最近うれしかったことを二つ、もう少し欲しかったことを一つ、出来事で書いてみませんか。これは相性を測るテストではなく、自分が何を喜び、何を気にしているかを考えるための提案です。
例えば、「帰りに好きなパンを買ってきてくれたのがうれしかった」「出張の前に『寂しくなるね』と言ってもらいたかった」。これは架空の例です。『私は贈り物のタイプ』で終えるより、うれしかったことも、足りなかったことも具体的になります。
相手に伝えるなら、その中から一つ。「私はこのタイプだから察して」ではなく、どんな場面で何をしてもらえるとうれしいのかを言葉にする。聞いた側も、自分のタイプを理由に最初から無理と決めず、できそうなことを考えます。
ただ、「自分は触れ合いのタイプだから」と、相手にハグやセックスを義務づけることはできません。性的な行為には、その都度、相手の自由な同意が必要です。[4] 何を望んでいるかと、二人が今どう過ごすかは、タイプの結果だけでは決まりません。
参考資料・関連する利用案内
資料の確認日:2026年10月8日
- [1] Impettほか(2024):ラブランゲージの三つの前提を検討したレビュー
2024年1月12日オンライン公開。Popular Psychology Through a Scientific Lens: Evaluating Love Languages From a Relationship Science Perspective。既存研究の検討であり、新たな実験ではありません。三つの前提、タイプの一致と相手の好みへの対応の違いを参照。
- [2] Mostovaほか(2022):愛情表現の希望と、関係・性生活への満足度
2022年6月22日公開、調査は2018年10月〜2019年3月。異性カップル100組のオンライン自己回答調査。複数の国籍を含み、英語で回答できる人が対象です。日本のカップルを代表する調査や、改善効果を確かめた実験ではありません。
- [3] Flickerほか(2025):好みの愛情表現だけが特別に重要かを検討した研究
2025年9月22日オンライン公開。Revisiting the Five Love Languages Framework: Toward a More Flexible Model of Love Expression。499人の研究について公開要旨を参照しました。全文・詳細な分析結果・調査実施日は未確認です。
- [4] RAINN:Consent 101: Respect, Boundaries, & Building Trust
最終更新2026年5月31日。行為ごとに、強要のない同意を確かめることを参照。米国の法制度や相談先を、日本の案内として転載していません。